「富士見町指定有形文化財 立沢中下組の道祖神」とある標柱を従えている石祠が、道祖神です。基台に「明和戌子年(1768)」の銘があります。先人が残した偉大なるレガシーですから、心して観賞して下さい。
扉を模したものに、御神酒の口が飾られた瓶子が意匠されています。覗くまでもなく石棒というか道祖神のシンボルが見えますが、その先端部が気になります。フラッシュをONにして下部からアオって撮ると、(それがどーした、と言われそうですが)くびれがあることがわかりました。
このサイズでは判別できませんが、左−滝・川・モミジの一枚葉・右−竹林があしらわれています。「どうだ、わかるか」と問われているようですが、読めない字と相まってどう解釈していいのかわかりません。
右は虎の変体字で、「竹に虎」となるそうですが…。
富士見町の教育委員会は、裏側にあるこのユニークな造形の価値を認めたということでしょう。
“そのものズバリ”ということですが、ミラーリングのように二セットあることが、「それだけじゃないよ」と匂わせています。上部の(女体を思わせる)幹の枝葉も、松茸の笠が開いたような形状ですから、何かストーリー性というか、言葉遊びが隠されているようにも思えます。しかし、…余り考え過ぎない方がいいかもしれません。
『村誌』によると、集落毎に競って建立したので、最後には、このような凝ったモノになったそうです。