from八ヶ岳原人Home / 雑記書留メニュー /

田辺の双体道祖神 諏訪市湖南田辺公民館 2019.4.6

 「ガラガラ稲荷」探索の帰りに、田辺(たんべ)の御頭御社宮司社に寄りました。隣り合わせた公民館の敷地に並んだ石造物群を見れば、いつもの習いで、つい見入ってしまいます。この一群は神仏混淆そのものですから、道路の拡張などで居場所を失ったものがここに集められたのでしょう。

の石造物群
道祖神念仏供養塔庚申塔道祖神

 左端は、見ての通りの双体道祖神でした。その右は「奉唱念佛百…」まで読めるので、埋まった部分は「万遍」と推定して念仏供養塔となりました。次は、(自宅で調べた結果)上部の日・月と下部の三猿から青面金剛立像となり、庚申塔と確定しました。右端が、今回取り上げた双体道祖神です。

の石造物群

 正面を見ると、長年路傍に立ち続けたためか全体に曖昧な造形となっています。しかし、その中央を分けるやや深めの線刻から、男神・女神が並んだ双体道祖神とわかります。その両神の体が全体のフォルムとなっているので「永久(とわ)に離れない」ようにも見えて、何か好ましく映りました。
 逆光になるので斜め正面にカメラを向けると、女神の束ねた髪の影に目が留まります。それがクビレと気が付けば、もうソノ物ズバリとなります。裏側は粗彫りのままですから、左側面から見て初めて合点できる表現(仕組み)に、作者に拍手を送ってしまいました。ただし、好事家である私の単なる思い込みの可能性もあります。