百葉箱は、「ひゃくよう“そう”」では漢字変換しません。小学校で習って以来「そう」で通してきましたから、慌てました。現在は死語となって口にすることはありませんから、間違いを指摘されることなくこの年まで来たと考えました。
調べると、【百葉箱】には「ひゃくようそう・ひゃくようばこ」の表記があります。元々は「百葉窓」なので「そう」が正しいとされる、とあるのを読んで、ひとまずは安心しました。
松本市の三峯社を参拝した道中で、屋根に祠があることに気が付きました。ズームを最大にしたカメラを向けると、そのようにも・そうでないようにも見えます。決めかねたのが、祠らしくない側面の鎧板です。それをスダレが転化したものとすれば新種の三峯社になりますが、見た目はあくまで百葉箱です。隙間に何かが見えるので、取りあえず写真に残しました。
自宅で確認すると、中にあるものは円筒形の何かです。百葉箱を転用した煙突の風除けとも思っていたので、「やはり」とうなづきました。
ところが、瓦が新しいことに気が付けば、その大棟に何かが入った百葉箱をくくり付けてあるだけとしか見えません。
隣が火の見櫓がある消防団の屯所なので、この細長の建造物は、かつては公民館として使われていたと考えられます。屋根を葺き替える際に何かの記念、もしくは戒めとして残したことなどが思い浮かびますが、水と油のような異質の構造物は、余所者の脳には、ただただ計り知れぬ謎として残りました。