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大久保の石灯籠 原村大久保

「大久保に過ぎたるものが三つある。智閑燈籠寅嚊」と唄われた、弘化三年丙 午歳(一八四六)燈籠。中新田孫太郎作、飾りの龍は落成の晩盗難。
大久保の燈籠

 これは、中村久太郎著『近世中新田村』に載っている説明文です。「智閑」は和尚さんの名前と推定できますが、「寅嚊」が読めません。調べると、【嚊天下】の「かかあ」でした。誰もが認めるやり手の女性が、「寅」という名前だったのでしょう。

 この燈籠を目の前にすると、まず脚の取り付け部に目が行きました。手で押すと台から外れそうな際どさです。もちろん、耐震等の計算あっての造作でしょう。
 全体の造形は、私の印象より写真の方が「雄弁」なので、じっくりと「鑑賞」してください。

大久保の燈籠「宝珠」 自宅で写真を拡大したら、宝珠の下部は龍です。「騎龍観音」と言われるものでしょうか。
 「飾りの龍が盗まれた」とありますから二代目と思われますが、多分、観音像を含めたこの宝珠のことでしょう。


大久保の燈籠「獅子」 「受け」と棹の間にある、名前がわからないので、「スペーサー」とした獅子の彫刻です。これも見事ですが、こちらは、外しての持ち帰りはできません。