これは、中村久太郎著『近世中新田村』に載っている説明文です。「智閑」は和尚さんの名前と推定できますが、「寅嚊」が読めません。調べると、【嚊天下】の「かかあ」でした。誰もが認めるやり手の女性が、「寅」という名前だったのでしょう。
この燈籠を目の前にすると、まず脚の取り付け部に目が行きました。手で押すと台から外れそうな際どさです。もちろん、耐震等の計算あっての造作でしょう。
全体の造形は、私の印象より写真の方が「雄弁」なので、じっくりと「鑑賞」してください。
自宅で写真を拡大したら、宝珠の下部は龍です。「騎龍観音」と言われるものでしょうか。
「飾りの龍が盗まれた」とありますから二代目と思われますが、多分、観音像を含めたこの宝珠のことでしょう。
「受け」と棹の間にある、名前がわからないので、「スペーサー」とした獅子の彫刻です。これも見事ですが、こちらは、外しての持ち帰りはできません。