もう30年も前のことです。その日は、朝から何となく村内がざわついているのを感じていました。
夕食時にテレビをつけると、アナウンサーが「日本最古の原人」と興奮気味です。箸を止めて注視すると、何と、発見場所が私の住む原村です。地元とあって、子供の頃から考古に興味を持っていた私はかなり興奮しました。
翌朝の新聞を見ると、早くも「ホモ・エレクトス・スワントロプス・ヤツガタケンシス(Homo-erectus-Swanthropus-Yatugatakensis)」と学名が付いています。また、トチるアナウンサーが続出したため、和名の「八ヶ岳原人」に統一された、と笑い話のような関連記事も載っていました。
昭和も、今思えばあっけなく終わりました。平成の世も一年二年と年を増やす毎に、「スワンちゃん」とか「ヤツガタケンちゃん」と騒がれることもなく、あれほど熱狂した人々やマスメディアから遠のいていきました。
骨の化石では無理もありませんが、それでは余りにも淋し過ぎます。そこで、私が八ヶ岳山麓原村の住人ということもあって、「八ヶ岳原人」をハンドル名に頂き、このサイトで永久に顕彰することにしました。